今週のポイント インドネシア金融政策決定会合(10月22~23日) 輸入抑制でも利上げの可能性=斉藤誠
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10月22日から23日にかけてインドネシア銀行(中央銀行)が月例理事会(金融政策決定会合)を開催する。中央銀行は今年5月以降、通貨ルピアの安定を目的として段階的に政策金利を引き上げており、累計の利上げ幅は1.5%となった。10月の会合でも追加利上げが実施されるかどうかが焦点だ。
インドネシア経済は緩やかな回復基調にあるものの、5%成長から浮揚できない状況が続いており、コアインフレ率は年明け以降3%を下回っている。また政府は今年3月、燃料補助金を復活させて補助金付きガソリン価格と軽油価格を19年まで値上げしないことを発表した。したがって、原油価格は昨年から上昇しているにもかかわらず、国内エネルギー価格は安定している。その結果、8月の消費者物価上昇率は前年比3.2%と、中銀の物価目標の3~5%の下限付近で推移している。
中央銀行は9月の会合で米連邦準備制度理事会(FRB)に追随して利上げを決定したが、これは景気の過熱や物価上昇への対応ではなく、為替市場で下落圧力がかかるルピアを安定化するための利上げであると説明している。したがって、10月の会合で追加利上げを実施するかどうかは、ルピア売りに歯止めがかかるかによるだろう。
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週刊エコノミスト
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