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東京市場 ストラテジストが読む 大幅上昇の主役はヘッジファンド=藤戸則弘

日経平均(2017年10月13日~18年10月5日)
日経平均(2017年10月13日~18年10月5日)

「米中間選挙年の秋相場は調整色が強い」というのが、兜町のセオリーだった。ところが、今年は9月に大幅上昇を見せ、トランプ氏という特異な大統領が、相場の経験則を吹き飛ばしたかの感がある。

 大幅上昇の要因としては、好調な企業業績、日経平均株価の割安感、円安傾向や、安倍総裁の3選決定という政治要因を指摘する声もあった。株式需給面では、圧倒的な外国人の買いが主因となった。東証発表の投資主体者別売買動向では、急騰が始まった9月第2週~第4週の3週間で、外国人は実に1兆8029億円の大幅買い越し(現物株式と株式先物)である。

 ところが注意すべきなのは、外国人の売買内訳である。現物株式の買い越しはわずか3723億円に過ぎず、株式先物は1兆4306億円と巨額なことである。日本株式の長期保有が前提の海外年金・投信などは「実需筋」と呼ばれ、現物株式による投資が主体である。ところが、短期のサヤ取り商いを志向するヘッジファンドは、コストの安い株式先物が大半だ。つまり、今回の大幅上昇の主役は、機を見るに敏なヘッジファンドと思われる…

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