東京市場 ストラテジストが読む 米長期金利上昇の影響に注視=藤戸則弘
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10月の米雇用統計は、非常に強い内容だった。非農業部門雇用者数は25万人増、失業率3・7%だったが、注目すべきは平均時給が前年比プラス3・1%の上昇を見せたことだ。これは2009年4月以来の水準であり、緩慢な推移にとどまっていた賃金が、いよいよ上昇開始となったことを示唆している。これを受けて、米10年国債利回りは3・2%をブレークし、再び上昇傾向が鮮明となった。特に、米30年国債利回りが、10月9日の3・445%を完全に突破したことに留意すべきであろう。10月の世界的な株価調整は、この米長期金利の予想外の上昇が大きな背景にあった。それまでは、株価が企業業績に対して割高であっても、将来の成長によって高株価が是認される「成長株理論」が一定の支持を得ていた。しかし、長期金利上昇が「企業成長を阻害する」としてこ…
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週刊エコノミスト
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