強化進む国際課税 CRSは「宝の山」=高鳥拓也/田邊政行
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これまで国税当局が捕捉しにくかった国外の金融機関口座について、国税当局間で自動的に情報交換する仕組み「CRS」(Common Reporting Standard:共通報告基準)に基づき、日本居住者の金融口座情報約55万件が今年9月末、国税庁に提供された。
CRSは、金融機関が非居住者の金融口座情報(CRS情報)を、税務当局を通じて、非居住者が住む国の税務当局に共通のフォーマットで報告する仕組みである。経済協力開発機構(OECD)が2014年に策定したもので、日本は今回の情報交換が初めてとなる。来年以降は毎年9月に情報交換を行う予定だ。
例えば、日本居住者が海外の銀行に口座を保有している場合、海外の銀行が現地の税務当局に、口座保有者の個人情報(氏名、住所など)、収入情報(利子などの年間受取総額)、残高情報(口座残高)を報告し、これらの情報が現地の税務当局から日本の国税庁に提供される。
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週刊エコノミスト
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