東京市場 ストラテジストが読む 米中関係改善と株価底入れ模索=三宅一弘
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米中貿易戦争下で2018年9月までは米国株堅調と中国株軟調の明暗二極化だったが、10月以降、米国も返り血を浴び、同時安の様相になった。今後の相場を占う上で以下の2点が焦点となろう。
第一は米中貿易戦争の行方だ。18年12月1日の米中首脳会談では米国が1月から2000億ドル相当の中国輸入品に対して追加関税を10%から25%へ引き上げる予定だったが、3月1日まで猶予が決まった。その間に中国政府は、国内産業の保護・優遇政策を是正し、市場開放などを進めなければならない。米国が納得しなければ関税率が引き上げられ、中国経済は打撃を受けるだろう。
一方、中国の政治面では、強国路線を鮮明化し、対米関係を悪化させた習近平指導部に対して共産党長老から批判が続出し、秋口以降、対米政策が大きく変わったようだ。猶予期間は90日と短く、今後、対米関係改善に向けて輸入拡大策や知財権保護強化策などが段階的に発表されるとみられる。
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週刊エコノミスト
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