今週のポイント 12月の企業物価指数(1月16日) 川上からの物価上昇圧力が後退か=上野剛志
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2018年12月の企業物価指数が19年1月16日に日本銀行から公表される。注目度が高い国内企業物価指数は、国内で生産した国内需要家向けの財(モノ)を対象とし、企業間で取引される価格の変動を計測したものだ。同指数は2018年半ば以降に上昇ペースが加速し、7月以降は4カ月連続で前年同月比3.0%の高い伸びが続いたが、直近11月には同2.3%へと大きく鈍化した。10月上旬をピークに国際原油価格が下落したことで、国際価格を速やかに反映するガソリン・灯油などの石油・石炭製品価格が下落し、全体の伸び率を0.6%も押し下げたためだ。
12月に入ってからも国際原油価格が下げ止まらず、ガソリン等の価格下落が続いたため、12月の国内企業物価指数の伸び率はさらに低下しそうだ。日本は原油をほとんど産出しないため、全体としてみれば、原油価格の下落は実体経済や企業収益にとって押し上げに働く。ただし、原油や非鉄金属といった資源価格の下落の背景には、世界経済の減速や先行き不安がある点には留意が必要だ。
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週刊エコノミスト
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