週刊エコノミスト Online迫る景気後退 世界経済入門

Q中国は先進国になれるか A米国中心の包囲網が完成すれば「中国製造2025」は大打撃=斎藤尚登

 日本の高度成長期が1973年に終わりを告げたのと同様に、中国の「高速成長」は2011年に終焉(しゅうえん)を迎えた。足元、減速が鮮明になりつつある中国経済は、今後どうなるのか。「成長フロンティア曲線」で見てみよう。

高速成長は11年で終焉

 成長フロンティア曲線は、一国の経済の工業化が進展し1人当たり国内総生産(GDP)が増加すると右上に移動し、その後経済のサービス化が進展すると弧を描くように左上にシフトしていく。日本の経験では、73年までが工業化に伴う高度成長期であり、55年からの年平均の実質GDP成長率は10%前後を記録した。

 そして経済が成熟化(サービス化)するにつれて成長率は低下し、74~90年の年平均成長率は4%前後となった。成長の牽引(けんいん)役が産業別には労働生産性の伸び率が高い製造業からサービス業へ、同様に需要項目別には投資から消費へとシフトすることで、成長率は低下した。

残り1896文字(全文2295文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事