マーケット・金融THE MARKET

東京市場 ストラテジストが読む 金融緩和期待で短期の上昇も=三井郁男

 景気後退の足音が聞こえ始めている。昨年後半から米中通商摩擦の激化や米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派的なスタンスを維持したことなどからセンチメント指標(ソフトデータ)は弱含みとなっていた。年明け以降、世界の貿易量の低迷や製造業の生産の停滞など、経済統計はコンセンサス(市場の平均的な予測)に比べ弱い発表が目立つ。国内指標も輸出は2月も対前年同月比1・2%減と低迷が続き、生産は低水準に落ち込んだままだ。3月の月例経済報告は、景気は穏やかな回復が続いているとしながらも、輸出や生産の一部に弱さがあると表現をトーンダウンさせた。

 英IHSマークイットによると、3月の欧米の製造業購買担当者指数(PMI)は製造業中心に大幅低下となった。世界的に弱い経済指標が続く中、米金融市場は米財務省証券(TB)3カ月物と10年国債の利回りで2007年以来の逆転現象(逆イールド)が発生。過去、長短利回りが逆転すれば1年から1年半後に景気後退に陥る傾向があり、先行きに懸念が広がっている。3月の日銀短観(4月1日公表予定)の業況判断指数(DI)…

残り406文字(全文871文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事