週刊エコノミスト Online迫る景気後退 世界経済入門

Qトランプ政権の特徴は A内政に外交戦略を反映=坂本正樹

    トランプ米大統領(Bloomberg)
    トランプ米大統領(Bloomberg)

     米国で内政と対外政策の境界が希薄になり、米国内のビジネス環境を悪化させている。従来、米国政治では、内政は自国民の生活満足度を高めるために進められる一方、対外政策にはより大局的な国家安全保障やグローバル企業の意向が、世界のパワーバランスの下で反映されてきた。

     これに対してトランプ政権は、これまで内政で対応してきた政治課題を対外政策の中で公然と取り扱っている。その典型的な例が対米外国投資委員会(CFIUS(シフィウス))による投資規制の強化である。

     米国は2018年3月、通商拡大法232条に基づき鉄鋼・アルミ製品に対する追加関税を発動し、さらに同年7~9月、中国に対し第3弾まで続く追加関税を課した。これら対症療法的な関税措置の一方で、18年8月の国防権限法に盛り込む形で外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA(ファーマ))と輸出管理改革法(ECRA(エクラ))を成立させ、より長期的な視点から国内の産業・技術保護に乗り出した(表1)。

     FIRRMA成立により、CFIUSの権限が強化された。CFIUSといえば、17年、当時はシンガポールに本社のあった半導体メーカー・ブロードコムが米半導体メーカー・クアルコムを買収する計画を審査し、その後トランプ政権が計画を差し止めたことでも知られる。このようにCFIUSは、外国資本が合併や買収などにより米国企業や事業を支配する案件を審査する権限があったが、FIRRMA成立により、その監督権限が拡…

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