週刊エコノミスト Online迫る景気後退 世界経済入門

Q世界経済をFRBは救うか A「世界中央銀行」になったが利上げ停止では力不足=河野龍太郎

FRBに年内利下げ見通しまで出始めた(Bloomberg)
FRBに年内利下げ見通しまで出始めた(Bloomberg)

 現在、グローバル経済では二つの大きな力が綱引きしている。一つは、中国を起点とする貿易を通じた実物経済への負のショック。もう一つは、1月に政策スタンスを変更したFRBの金融緩和効果のインパクトだ。

 前者については、中国の設備投資の冷え込みを起点に昨秋、日本や韓国などの工業国から中国への資本財輸出が急減し、現在、それらの国で設備投資の減速など2次的な悪影響が広がっている。震源地の中国経済の減速が続くため、少なくとも今年前半はグローバル経済の減速が続く見通しだ。

 とはいえ、後者に関し1月のFRBの利上げ中断表明をきっかけにグローバル資本市場に大量の資金が流入し、新興国を中心に金融緩和効果が広がっている。中国経済の減速がもたらすショックを和らげ、グローバル経済の早期回復を期待する人も多い。

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