どう決まる?米長期金利 FRB姿勢を市場が見極め=箱守晃佑
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米国長期金利のベンチマーク(基準となる指数)である米10年物国債利回りが、3月下旬に急低下した(図)。米連邦公開市場委員会(FOMC)で米経済見通しおよび政策金利見通しが下方修正され、想定以上に米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派色を鮮明にしたことが影響したと見られる。
そして、世界経済の減速が強く懸念された結果、長期金利が3カ月物国債利回り(短期金利)を下回る長短金利逆転(逆イールド)が発生した。逆イールドは景気後退のシグナルとされる。経済指標を見る限り、景気後退に差し掛かっているとの判断には至っていないが、一段の長期金利低下には注意が必要だ。
長期金利について、筆者は次の2通りの方法で方向性を予測している。(1)「将来期待される短期金利の平均値」と「リスクプレミアム」に分解して予測、(2)「実質金利」と「ブレークイーブン・インフレ率≒期待インフレ率」に分解して予測、だ。本稿では、筆者が重点を置く(1)の方法で考えたい。
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週刊エコノミスト
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