週刊エコノミスト Online迫る景気後退 世界経済入門

Q GDPは信用できるか A無料のデジタルサービス増加で経済実態との乖離が進む=早川英男

    米国経済回復の鈍さの背景にも?(Bloomberg)
    米国経済回復の鈍さの背景にも?(Bloomberg)

     経済活動の実態を示す指標として、今日、国内総生産(GDP)が頻繁に使われる。GDPを測る本来の目的は、経済厚生、簡単に言えば、その社会に住む人々の幸福度を測るためにある。

     GDPとは、金銭的取引の価格をすべて足した数値だ。ここで初歩的な経済学で用いられる需要曲線と供給曲線を見てみよう(図1)。両曲線が交わった点が、消費者と財・サービスの提供者双方が納得して取引する均衡価格・数量を示している。この図では均衡価格×均衡数量が金銭的取引の総計、すなわちGDPである。

     しかし、消費者が得る経済厚生とは、金銭的取引だけで測れるのだろうか。図1の需要曲線のうち均衡点より左の部分を見てみよう。この部分では、同じ数量ならば、消費者が支払ってもよいと考えている価格の方が、実際に支払われた価格より高い。このことは、消費者が支払い価格以上に満足を得ていることを意味する。この部分を消費者余剰と呼ぶ。GDPでは対価を支払った部分だけがカウントされ、消費者余剰は入らない。つまり、…

    残り1937文字(全文2370文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    3月9日号

    最強の米国株&経済16 ダウ3万8000ドルの声も 「買い参戦」する日本の個人 ■市川 明代/白鳥 達哉18 米国株 注目の30銘柄 宇宙旅行やアフリカ版「アマゾン」 ■岡元 兵八郎21 まだある注目銘柄 身近なアップル、ディズニー 国策のテスラやネクステラ ■佐藤 一樹25 ネット証券で買う 定額 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事