週刊エコノミスト Online迫る景気後退 世界経済入門

データで先読み2 輸出受注指数が示唆 世界貿易数量の減少=丸山義正

 世界経済の先行きを占う上で、貿易動向は極めて重要だ。活発な貿易取引はグローバルな需要拡大を示唆し、世界経済の成長加速につながっていく。逆に貿易取引の低迷は世界経済減速、場合によっては景気後退のシグナルになりうる。

 世界貿易の動向を把握するデータとして、オランダの経済分析局(CPB)が各国の貿易データを集計し、月次で公表する世界貿易数量がある。しかし、各国の貿易統計の発表を待つため、公表タイミングが対象月の翌々月の下旬と相当に遅く(1月データであれば3月末ごろ)、速報性に乏しい。

 世界貿易数量が欠く速報性を補完するデータとして、ISL(Institute of Shipping Economics and Logistics)が公表する世界コンテナ数量(RWI/ISL指数)が有用だろう。この指数は、88の港湾のコンテナ処理量を集計したデータであり、世界全体のコンテナ処理量の約6割をカバーする。コンテナ以外の貿易取引は含まれないため網羅性には多少欠けるが、対象月の翌月の下旬…

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