週刊エコノミスト Online 7月施行 使いこなす!相続法&税
預貯金が払い戻せる! 金融機関で上限150万円 故人の入院代、葬儀費用に=荒木理江
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相続が発生すると、相続人が亡くなった人(被相続人)の入院代や葬儀費用の支払いに追われることがある。今回の相続法改正では、そうした当座の資金需要に応えるため、二つの制度が新設された。遺産分割前に相続人が単独で金融機関に対して直接、預貯金の払い戻しを求めることができる「払い戻し制度」と、家庭裁判所の手続きを経る「仮分割の仮処分制度」である。いずれも今年7月1日からスタートする。
二つの制度が創設された背景には、2016年12月の最高裁決定がある。公平な遺産分割を図るためにこれまでの判例を変更し、被相続人の預貯金が遺産分割の対象に含まれると判断した。しかし、これでは遺産分割が終わるまで、相続人は預貯金の払い戻しができない。遺産分割は原則、相続人すべての合意が必要で、長い時間がかかることも珍しくないため、新たな制度を設けることになった。
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