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家族信託の落とし穴 「遺産先取り」に悪用も だまされない自己防衛術=遠藤英嗣

(出所)編集部作成
(出所)編集部作成

 生前に財産の管理を家族に託す「家族信託」を巡り、制度を悪用するケースが目立ってきている。家族信託は本来、遺言や成年後見制度に代わり、残される高齢の配偶者や障害のある子の生活や財産を、長期にわたって守り続けられる仕組みとして期待されていた。しかし、特定の相続人が遺産を先取りしたりするあこぎな目的で使われることがあり、だまされないためには利用者自身が制度への理解を深める必要がある。

 家族信託とは、自分の財産の管理を信頼できる家族に託し、指定した目的に沿って管理してもらう制度だ。財産を託す人が「委託者」、託される家族が「受託者」となって「家族信託契約」を結び、信託する期間や目的のほか、財産の処分や運用による利益を得る「受益者」も設定。受益者がきちんと利益を得られるよう保証している。契約がきちんと履行されているかをチェックする第三者の「信託監督人」も指定できる。

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