週刊エコノミスト Online 7月施行 使いこなす!相続法&税
相続税の税務調査 強化の一途たどる国税の「網」=武田秀和
有料記事
相続税の税務調査が強化される傾向にある。税務調査の対象は三つに分かれる。まずは相続財産の評価額の誤りで、土地など申告された評価額に誤りを見つければ是正する。そして、税法の適用の誤り。例えば、土地の評価が8割減額される「小規模宅地等の特例」が適用できないのに、適用して申告したようなケースだ。最後が相続税調査で最も重要な、財産の申告漏れの調査である。
昨年12月に国税庁が公表した、2017事務年度(17年7月~18年6月)の相続税調査の状況を見てみよう。実地調査の件数は1万2576件で、過去6年間で最も多くなった(図1)。11事務年度以降に大幅に調査件数が減少したのは、調査手続きを厳格化する改正国税通則法が13年1月に施行されたことが影響している。15年1月からの相続増税で申告対象者が増えたこともあり、相続税の税務調査自体は強化されていると考…
残り1871文字(全文2246文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める