週刊エコノミスト Online7月施行 使いこなす!相続法&税

使い込みトラブル よくある4パターン解説 「発見」「調査」「予防」で対処=大神深雪

     遺産相続でたびたび問題になるのが、子による親の預貯金の使い込みだ。本来は親の財産であるはずなのに、親の気づかないまま勝手に使い込んだりするケースもある。発覚するのは相続の発生後で、他の相続人が「もっと財産があったはずでは」と疑うことをきっかけに、一家を巻き込んだトラブルに発展する。使い込みの典型的なパターンと、使い込みの発見方法、事後対策、予防方法を紹介したい。

     子が親の通帳や印鑑、キャッシュカードを保管場所から勝手に持ち出して預貯金を払い戻して使い込んでしまうケースがある。親の承諾がなければ窃盗なのだが、「親子だからいいだろう」などと自分を正当化してしまうことが多いのだ。親が「忘れないように」と暗証番号を書いたメモを残しておいたりすると、被害に遭いやすくなる。

     親が自分で管理するのが面倒、あるいは身体的な問題や認知症で金融機関に行けない場合など、親が子に通帳、印鑑、キャッシュカードを預けていることがある。このケースでは、日用品の買い物や病院への支払いなど、親が依頼した範囲内での払い戻しは問題ない。しかし、親の承諾を得ずに子が親以外のために、親の預貯金を払い戻して使い込むことがある。特に、子が親の介護をしている場合は「世話をしているのだから、いいだろう」という気持ちになりやすい。これは、「横領」という違法行為だ。

     最近は子世代の収入が少なく、親の扶養を受けている子も多い。このような子が生活費に使用する範囲で払い戻しの承諾を受け、親の通帳、印鑑、キャッシュカードを預かっているケースもある。この場合は、子が自分や家族の通常の日常生活に必要な払い戻しを行うことには問題がない。

     しかし、この範囲を超えた払い戻しは横領であり、違法行為だ。ギャンブルはもちろん、親に関係ない高額なぜいたく品の買い物や遊興費などは日常生活の範囲を超えていると判断できるだろう。ただ、前述の2パターンと異なり、どこまでが日常生活の範囲と言えるかはかなりあいまいだ。自由診療の医療費、趣味や交際などの費用については、個々の事例により判断されることになる。

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