インタビュー 加藤忠相 マニュアルと無縁の柔軟なケア 高齢者は地域の「資産」
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当社は介護保険法に基づく「小規模多機能型居宅介護」の施設で、通所を中心に宿泊や訪問などの介護サービスを提供している。単に機能を組み合わせるのではなく、柔軟なケアを続けていることが特徴だ。ここでは運営のマニュアルがなく、認知症の方を受け入れている施設には通常ある柵も設けていない。
48人のスタッフがいるが、7人は就学前の子どもを連れて出勤している。ここに保育施設があるわけではなく、子どもたちはおじいちゃん、おばあちゃんたちと一緒に過ごしている。施設利用者の方は認知症があるけれど、スタッフの子どもたちの面倒を見てもらっている。お年寄りたちは地域の「資産」なのだ。
大学を卒業して、神奈川県の特別養護老人ホーム(特養)で3年弱働いた後、25歳で独立して会社(あおいけあ)を設立し19年が過ぎた。今日はNHKの取材班が来て、取材を受けていた。メディアに注目される理由は、この施設が時代に合っているからだと思う。神奈川県内のある特養では、当社にならって施設を囲っていた壁を壊したという事例もある。
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週刊エコノミスト
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