解説 マンション総合調査 忍び寄る「管理不全」の足音=米山秀隆
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滋賀県野洲市が空き家対策特別措置法に基づき、廃虚化したマンションの強制解体を決めるなど、老朽マンションをめぐる問題が急速にクローズアップされている。筆者は2015年に著した『限界マンション』で、建物の老朽化と各住戸を所有する区分所有者の高齢化という二つの老いにより、今後、管理不全になるマンションが急増することに警鐘を鳴らした。しかし、事態はさらに悪化し、「限界マンション」を超えた「廃虚マンション」が出現するようになっている。
そうしたマンションの実情を知る大きな手がかりとなるのが、国土交通省が4月26日に発表した5年に1度の「マンション総合調査」(18年)の結果である。対象は全国の4200の管理組合と8400の区分所有者で、管理組合1688件(回収率40.2%)、区分所有者3211件(回収率38.2%)の回答をまとめている。世帯主の年齢は70歳代以上が22.2%と前回13年の調査に比べ3.3ポイント上昇するなど、全体…
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週刊エコノミスト
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