「増益は不可能」? 減益でも“開き直り”決算=大槻奈那
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海外投資家の邦銀離れで銀行アナリストの海外出張が激減している。そんな中、発表された地銀のさえない決算を見て、彼らは頭を抱えただろう。
貸出金利回りは11年連続で低下。預金金利を差し引いた預貸利ざやを平均0.05%押し下げた。貸出金の増加率は3%台で、名目GDP(国内総生産)の伸びを上回る水準を維持したが、それでも利ざや低下をはね返せなかった。運用利回り低下も加わり、地銀の業務純益の9割を占める資金利益の減少が続いた。
トップライン(収益)の「入り」が減るなら「出を制する」しかない。ただ、コスト削減は大手行に比べ、人口減少地域や高齢者へのサービスを維持する地銀では容易ではない。2019年3月期は働き方改革による残業代が圧縮されたが、これ以上の期待は酷だ。
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週刊エコノミスト
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