待ったなしの選択 総資産額16兆円が黒字化メド 非上場化や協同組織への道=吉沢亮二
有料記事
地方銀行(特段の断りがない限り全国地方銀行協会に加盟する64行)は、実質的に海外業務展開が難しい。また、国内業務の預貸業務が収益の大宗を占めるため、マイナス金利政策導入後の市場金利低下により困窮度合いが深まっている。
実際、マクロ的にみると地銀の貸出業務は、貸出利息で経費が賄えず、赤字化している。
図1は、地銀の貸出業務の収益性分析の結果を要因別に示したものである(全国銀行協会の直近公表値を基に分析したため、2018年3月期の加重平均値)。データは、貸出利回りから、収益にマイナスに働く支出要因を加味すると、18年3月期の地銀の貸出業務の総合的な収益性はマイナス0.07%、つまりは赤字になることを示している。
この分析における支出要因としては、(1)預金利回り、(2)預金経費率、(3)与信関係費用率の18年3月期までの直近15年間の平均値──を勘案した。なお、5月に各行が開示した19年3月期における預貸の収益状況は、より悪化している。
残り1683文字(全文2106文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める