これだけかかる空き家のコスト 「負動産」化する残酷な現実=長嶋修
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圧倒的な住宅不足だった戦後の高度経済成長期。東京のビジネス中心部である大手町、丸の内、新宿、渋谷など山手線沿線から30~40キロ、ドア・ツー・ドアで1時間~1時間半といった都市郊外のいわゆる「ベッドタウン」では、主に1970年代以降大量の宅地開発が行われた。一斉に入居したのは47~49年生まれの団塊世代を中心とした人口ボリュームゾーン。当時は「夫婦に子ども2人」の典型的な核家族形態が主流だった。
あの時代からおよそ50年が経過し、駅前や駅近など利便性の高いエリアを除く地域では、建物の老朽化とともに入居者も高齢化した。昨今の住宅に求められるのは圧倒的に「都心」「駅前」「駅近」。住宅数の飽和に伴う空き家の増加や「自動車保有比率の低下」「共働き世帯の増加」といった現象がこの傾向を後押しする。賃貸、持ち家とも昨今求められるのは「駅徒歩7分以内」の立地だ。
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週刊エコノミスト
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