データ・年表で見る空き家 空き家対策法で増加率は抑制 人口減少の“縮図”が表面化=編集部
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総務省が今年4月に発表した「住宅・土地統計調査」では、2018年の全国の空き家戸数は846万戸、空き家率は13.6%と過去最高となった。ただ、野村総合研究所はその前年、18年の空き家戸数を1026万戸、空き家率は16.1%になると予測していたが、実際の数値はいずれも予測を下回った。その大きな要因は、前回の13年調査から今回の18年調査までの間、建物の取り壊し件数(除却戸数)が予想以上に多かったことだ(図)。
野村総研では昨年時点で、13~17年の新設住宅着工戸数に対する除却戸数の比率(除却率)は、過去の傾向から33.3%と予測。しかし、実際には13~17年の除却率は62%まで上昇し、除却数も予測値の157万戸から実際は292万戸となった。“空き家予備軍”となっていた建物が取り壊されたことで、空き家率の上昇が抑制されたわけだが、何より15年に施行された「空き家対策特別措置法」の影響が大きいだろう。
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週刊エコノミスト
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