役職定年後の5原則 理想は雇われない働き方 在職中からの準備がすべて=木村勝
有料記事
役員にはなれなくても、部長として定年まで勤め上げ、最後は部下に花束を手渡され万感の思いで職場を去る。バブル入社組がかつて目撃した「サラリーマンの引き際」は今は昔だ。
多くの大企業には、55歳前後に管理職ポストをはずれる役職定年制度があり、年収はピーク時に比べると3割程度下がる。「自分は大丈夫」と考えている人も多いためか、役職定年を告げられ、出世の可能性が閉ざされるとショックを受けがちだ。だが、嘆いていても仕方ない。そこからしたたかに準備を始めればよいのである。60歳以降も再雇用制度などがあり継続して働くことは可能だが、年収は半分ぐらいにまで下がるというデータもあり、働けても多くが65歳までだ。在職中から60歳以降のキャリアをどう描けるかによって、その後の人生は大きく変わる。
辞令一つで転勤を繰り返し、職種間異動も経験する日本型雇用は、「『部長ができます』的ジェネラリストを養成するだけ」と皮肉られるなど、極めて旗色が悪い。しかしながら、異動で経験してきたさまざまな領域の専門性を掛け合わせることにより、意識しなくても、自分独自の新たな専門性が構築されているのである。
残り2072文字(全文2561文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める