国際・政治 IS
「安全な子育てのため帰国したい」 IS参加女性の訴えに揺れる英国=竹鼻智
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移民受け入れ国である英国は、人種や宗教など多様性に富む国家だ。宗教はイングランド国教会をはじめとするキリスト教国として知られるが、全人口6600万人の約4%に当たる約270万人のイスラム教徒が暮らしている。
だが、英国社会ではイスラム教徒が警戒視されているのは否めない。その背景には、2017年5月に英中部マンチェスターのコンサート会場で22人の犠牲者を出した自爆テロ事件や、翌6月にロンドンのロンドン橋地区で車を暴走させて歩行者をはねたり、刃物で切りつけたりして8人を死なせた無差別殺傷事件などがある。
このようなごく一部のイスラム過激派による破壊的行為は、非イスラムの人たちに「イスラムフォビア」(イスラム恐怖症)を引き起こし、イスラム教徒への憎悪犯罪(ヘイトクライム)を招く。その結果、イスラム教徒に社会からの疎外感を感じさせ、最悪の場合は過激派に洗脳される──という悪循環が生じる。シリアやイラクを中心に15年ごろに支配勢力を最大化した過激派組織「イスラム国」(IS)に欧州から多くの若者が参加し…
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週刊エコノミスト
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