「後継者に」と言われたが…… 53歳で失業する恐怖をバネに
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サントリーの部長と同社の子会社社長を兼務していた渡辺秀人さん(62)は、51歳で福岡市の食品会社の執行役員に転身した。仕事を通じて知り合った創業社長から「自分の後継者に」と口説かれ、「その気になった」。だが、行ってみると、「そんなつもりはない。自分が死ぬまで社長をやる」と言われて驚いた。「年商を倍にしてほしいと言われ、その夢を共有するつもりで福岡に行った。アイデアもいろいろ持って行ったから、レストラン事業のてこ入れなどできることをやった」と振り返る。
だが、2年半たった秋、社長から「半年後に椅子はない」と退職を迫られた。転職支援会社に相談したが、自分に合う仕事は見つからなかった。「春になったらハローワークに行くのか」と思うと、53歳で失業する恐怖を感じた。子どもは大学生、ローンもあった。
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週刊エコノミスト
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