国際・政治 欧州
欧州委員長候補に独国防相 統合推進派のフォンデアライエン氏 国際舞台の経験も豊富=網谷龍介
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次期欧州委員会委員長などの欧州連合(EU)トップ人事をめぐるEU特別首脳会議は7月2日、難航の末、ドイツのウルズラ・フォンデアライエン氏(60)を委員長候補に選んだ。
ただし就任に必要な欧州議会の承認が得られるか、まだ定かではない。欧州議会側は、2014年欧州議会選挙の際に自ら導入した慣行に従い、いずれかの党の筆頭候補を委員長とすべきと主張しているが、彼女は筆頭候補ではないからである。交渉の難局打開のためにフランスのマクロン大統領が提示した案(代わりに欧州中央銀行〈ECB〉総裁をフランスが確保)であったため、不透明な妥協との批判が向けられているのである。
フォンデアライエン氏は、05年に発足した4次にわたる独メルケル政権で継続して大臣ポストを得ている唯一の人物であり、13年からは国防相を務める。政権前半期には後継候補と目されたが、国防相ポストでやや評価を下げ、後継の座をクランプカレンバウアー氏に奪われていた。汚職疑惑や学位論文剽窃(ひょうせつ)疑惑もあったため、人物や能力に関しても、委員長候補への選出に冷ややかな見方も少なくない。
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週刊エコノミスト
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