欧州経済 内需主導で弱い成長続く 外部環境の不確実性が重しに=伊藤さゆり
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ユーロ圏経済は2019年下半期も弱い動きが続きそうだ。ドイツを中心に18年初めから見られてきた内需やサービス業が成長しながらも輸出や製造業は不調というデカップリング(非連動性)が、外部環境の改善で年後半に解消に向かうという期待は裏切られつつある。
景況については国ごとのばらつきも大きい(図1)。停滞が目立つのは、過剰な政府債務と低い競争力に悩むイタリアと「独り勝ち」を続けてきたドイツだ。両国の共通点は輸出依存度の高さにある。独Ifo経済研究所が作るドイツの製造業企業の景況感指数は、7月には景況悪化を見込む割合が高いことを意味するマイナス圏に入った。サービス業、建設業の好調が補ってはいるが、1~3月期の高成長の反動が出る4~6月期だけでなく、7~9月期もマイナス成長となりそうな雲行きだ。
一方、輸出製造業依存度が極端に高いドイツに比べると、内需のウエートが高いフランスやスペインの減速については、はるかに緩やかなものになっている。
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週刊エコノミスト
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