新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online 世界景気の終わり

ブレグジット 確度高まる「合意なき離脱」 解散総選挙も視野に=川瀬良美

(注)※1は下院の2分の1以上の賛成が必要。※2は下院の3分の2以上の賛成を得るか、または不信任案可決後14日以内に新内閣を組閣できなかった場合。※3は下院の承認を得る事が条件 (出所)大和証券作成
(注)※1は下院の2分の1以上の賛成が必要。※2は下院の3分の2以上の賛成を得るか、または不信任案可決後14日以内に新内閣を組閣できなかった場合。※3は下院の承認を得る事が条件 (出所)大和証券作成

 英国の与党保守党党首選挙では、事前の見立て通りジョンソン前外相が党首に選出され、新首相に就任した。同首相は「何があっても10月31日に離脱する」との主張を一貫して強調し、保守党員からの絶大な支持を得た。

 同首相は、欧州連合(EU)との再交渉を行うとしているが、EU側はこれを拒絶している。また、最大の懸案事項は2020年12月末までの離脱移行期間中、英国が国境管理の具体策を提示できなかった場合に導入されるバックストップ案(安全策)だ。同首相はバックストップ案の修正妥協案の可能性を排除しているが、このままでは議会の承認を得るのは難しい。加えて離脱期限の延長可能性も完全否定しているため、「合意なき離脱」の可能性は、いよいよ現実味を帯びてきたと言えよう。

 一方、7月18日に新設された非政府組織の代替措置委員会は、バックストップ案の代替措置に関する報告書を発表した。同報告書では、WTO条項に基づく特別経済圏の設置、国境での検閲に移動検査ユニットを利用すること、企業規模に応じた通関検査の簡素化などの提案が盛り込まれている。しかし、中にはこれまでのEUとの交渉過程で否定された内容も含まれており、EUの承認を経て実現する可能性は極めて低い。

残り536文字(全文1057文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事