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週刊エコノミスト Online 世界景気の終わり

原油 シェールとサウジで下限は50ドル 高騰の引き金は利下げとイラン=佐藤誠

(出所)米国エネルギー省統計を基に筆者推定
(出所)米国エネルギー省統計を基に筆者推定

 足元の原油価格は2014年半ばまで見られたような1バレル当たり100ドルからは約半分にまで下落したが、16年前半に見られたような20ドル台半ばのおよそ倍となるなど、持ち直している。

 原油価格の下落をもたらした大きな要因の一つは米国のシェールオイルである。米国はこれで世界一の産油国になるとともに、OPEC(石油輸出国機構)の市場支配力を抑制し、原油100ドル時代を終わらせた。ただ、一方で米国はエネルギー政策面での自立度を高めるとともに、外交政策でイランやベネズエラに強硬策を取るようになった。それが、地政学リスクに伴う石油供給途絶懸念を市場で強めるとともに原油価格を回復させる一因となったわけである。

 また、シェールオイルの原油市場への影響は大きくなっているが、低下してきているとはいえシェールの開発・生産コストはおおむね50ドル前後と言われており、中東地域のコストに比べて相対的に高水準である。それ以下の原油価格ではシェールの開発や生産活動が鈍化することもあり、一時的には50ドルを割り込んだとしても、その状態はなかなか持続しないようになっている。

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