ドル・円 「通貨の武器化」と先制利下げ “ドル安政策”を選んだ米国=武田紀久子
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トランプ大統領が正式就任した2017年1月20日以降の約2年半、ドルの対円相場は104・56~115・51円の11円に満たない狭い価格帯で推移している。変動相場制移行後の半世紀近い歴史を振り返っても、あるいは、トランプ氏の発言や諸政策で大きく振れるその他金融市場全般の動きとの比較でも、異例の狭小相場と言える(図)。
市場の常として、こうしたボックス相場がまだまだ続くと考えるよりも、上下どちらかに抜ける展開をそろそろ念頭に置くべきであろう。この点について、19年上半期に米国で鮮明になった二つの政策志向に照らして考えると、ドルはこの先、「上がりにくい通貨」になっていく可能性が高い。
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週刊エコノミスト
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