減速局面の為替 世界緩和競争で縮まる金利差 対ユーロ、豪ドルでより円高に=内田稔
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国際通貨基金(IMF)は7月23日に発表した世界経済見通しで、2019年の実質経済成長率を3・2%、20年を3・5%と前回4月よりもそれぞれ0・1%ポイントずつ引き下げた。下方修正は、昨年10月以降4四半期連続だ。世界の貿易量の伸びを前年比0・9%ポイント減と大幅に引き下げたことが大きい。米トランプ政権が強める保護主義は、米中貿易摩擦の長期化と先鋭化のリスクを高め、世界経済の成長にとって脅威となっている。
加えて、英国ではジョンソン首相誕生により、合意なき英国の欧州連合(EU)離脱リスクがくすぶる。不安定化するイラン情勢と合わせ、地政学リスクが意識され、世界経済の減速感が強まる可能性が高い。それに伴い各中央銀行の金融政策は、ハト派寄りへとシフトしつつあり、欧州中央銀行(ECB)は利下げや量的緩和の再開を示唆し、米連邦準備制度理事会(FRB)も約10年半ぶりの利下げに踏み切る。他の中銀も追随するとみ…
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週刊エコノミスト
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