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週刊エコノミスト Online 絶望の日韓

徴用工問題の本質 植民地支配の“清算”に変化 「日本は退屈で、遅れた国」=浅羽祐樹

1973年に完成した韓国・浦項市の浦項製鉄(現POSCO)。建設には対日請求権資金の一部が充当された
1973年に完成した韓国・浦項市の浦項製鉄(現POSCO)。建設には対日請求権資金の一部が充当された

 韓国が日本と国交を正常化した1965年、韓国の経済力は北朝鮮より劣っていた。コメの生産量も人口を賄いきれていない状況で、まして工業はせいぜい靴やカツラを製造する程度だった。そんな中、軍事クーデタで政権に就いた朴正煕(パクチョンヒ)大統領は日本からの資金をベースに、「輸出指向型工業化」によって「祖国近代化」を成し遂げようとした。途上国では輸入工業製品の国産化によって工業化を目指す「輸入代替工業化」が一般的だった当時としては、画期的なビジョンだった。一方、64年には、米国がベトナム戦争への介入を本格化させるのに合わせて派兵し、何とか米軍との関係をつなぎとめようとした。

 つまり、経済協力の確保や安全保障が重視されるなかで、1910~45年の植民地支配の清算については主張を「貫徹しない」という政治決断がなされたのである。韓国としては本来、植民地支配を「不当で不法」「そもそも無効」と確認したかったのは間違いないが、最終的には「もはや無効」という文言で日韓双方が合意した(日韓基本条約)。日本側は当然、(正当か不当かはともかく)「合法で、終戦までは有効だった」と解釈した…

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