週刊エコノミスト Online ワシントンDC
自由競争か中国対抗か 米輸銀に迫る「期限」=川上直
有料記事
筆者が通うオフィスから2ブロック先、徒歩5分の場所に米国輸出入銀行(米輸銀)のオフィスがある。米輸銀は公的輸出信用機関で、米国の財・サービスの輸出促進のために融資や保証などの貿易金融を提供している。筆者からすれば「ご近所の同業者」というところであるが、残念なことにここ数年は元気がない。
まず理事会の定足数の問題だ。米輸銀の理事会は2015年以降、理事の欠員によって定足数を満たせないという異常事態が続いてきた。共和党保守派を中心に議会の抵抗にあい、理事承認手続きが進まなかったからだ。この定足数割れにより、この4年間は1000万ドル(約11億円)以上の融資など重要案件の承認ができなかった。ところが、今年5月8日、リード総裁を含む3人の理事人事が上院で承認され、理事会定足数の問題が解消、ようやく通常業務が行える体制が整った。
残り925文字(全文1290文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める