週刊エコノミスト Online書評

内閣情報調査室とは何か 実際と謎に迫る2冊=井上寿一

     日本版CIA(米中央情報局)の別名を持つ内閣情報調査室(内調)は謎のベールに包まれているかのようにみえる。実際には内調の主な活動は公開情報に基づく内外情勢の分析であることが知られている。

     知りたいのはそれ以外の活動である。今井良『内閣情報調査室』(幻冬舎新書、840円)が例示している。2017年5月22日の全国紙に前文部科学省事務次官のスキャンダルが報じられる。同書によれば、この新聞報道は内調の対マスコミ工作の一端だった。なぜリークされたのか。この前事務次官の言動・思想が内閣官房副長官の「不興を買ったから」だという。確度の高そうな推論である。しかし直接の証拠はない。

     加えて内調の分析結果は正確とは限らない。18年の自民党総裁選の地方票は、予測と違っていた。映画の「007」のようなインテリジェンス(諜報)活動は、どちらかといえば公安警察や公安調査庁が担っているようである。

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