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マーケット・金融 勃発!通貨戦争

ドル政策 利下げで覇権守る米国 世界から金利が消える日=水野和夫

(Bloomberg)
(Bloomberg)

 日本やドイツに続いて、フランスでも10年国債利回り(長期金利)がマイナス圏に突入した。英国も0・5%を割り込み、米国でさえ1%台半ばに低下している。私は英米も早晩、マイナス金利になると予想する。

 長期金利は1%という水準が重要な意味を持つ。歴史的に見て経済成長が持続可能かどうかの分水嶺(ぶんすいれい)だからだ。中世の先進経済圏だった環地中海圏で、イタリア・ジェノバの長期金利が1611~1621年の11年間、2%を下回った(1619年に1・125%)。ジェノバに銀と金が殺到したためだ。つまり、銀や金の投資先がなくなった結果である。

 優良な投資先があるから経済は成長する。経済成長の源泉は投資である。その成長の尺度が金利(利潤率)だ。ゼロ金利やマイナス金利とは、成長機会の消滅を意味する。投資機会が消滅すれば、ゼロ金利は常態となる。

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