マーケット・金融勃発!通貨戦争

インタビュー 篠原尚之・元財務官 世界緩和競争の円高圧力 1ドル=90円も視界に

    ■この10年ほど、低成長・低インフレが続いている。世界的に見て、潜在成長率が落ちており、以前のような高成長率に戻る気配はまったくない。これは構造的な問題だろう。一つは、先進国で高齢化が進んでいること。もう一つは、技術革新の質の変化。AI(人工知能)やIT技術は、これまでの蒸気機関車や自動車といったインフラを伴って莫大(ばくだい)な需要を出す技術革新とは異なり、GDP(国内総生産)成長率への貢献が小さい。そういう意味でも、低成長・低インフレの時代は当面続くだろう。

    ■一生懸命、金融政策や財政政策で景気刺激策を講じてみても、利かなくなってきたし、利いても一時的。低成長・低インフレで、分け合うパイが大きくならないなら、所得分配が重要になる。一部の「勝者」と「それ以外」という構図は不満を膨張させ、社会を分断する。政治は「それ以外」の人に目を配る中でポピュリズムに向かい、自国のことしか考えなくなる。外国を仮想敵にしていれば国内政治は安定する。そんな流れが世界的に顕著になっている。

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