今週のポイント 米雇用統計(10月4日) 雇用鈍化のペースを見極め=窪谷浩
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10月4日に米国で9月の雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数は2010年10月から統計開始以来最長となる107カ月連続で増加しているものの、足元で雇用増加に陰りも見られていることから、労働市場の回復持続性を見極める上で注目される。
まず8月の結果を確認すると、非農業部門雇用者数は前月比13.0万人増と、前月の15.9万人増、市場予想の16.0万人増を下回った。また、8月は国勢調査に絡む臨時政府職員が2万5000人計上されており、雇用者数が特殊要因で底上げされていることを考慮すると、見た目以上に雇用増加ペースが鈍化していたといえる。
一方、失業率は3.7%と、8月は市場予想に一致し、およそ50年ぶりの低水準を維持している。また、労働参加率(16歳以上の生産年齢人口に対する労働力人口の比率)は63.2%と3カ月連続の上昇となり、改善が続いている。さらに、時間当たり賃金は前年同月比3.2%増と前月の3.3%増は下回ったものの、市場予想の3.0%増は上回っており、3%台前半の堅調な伸びが持続している。これらの指標は引き続き労働需給…
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週刊エコノミスト
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