誤解3 年金は今の収入の6割 現役男子の平均手取りと比較 退職直前年収だと3分の1に=野尻哲史
有料記事
厚生労働省が8月に公表した「財政検証」の中身は、国民年金・厚生年金の財政を検証した結果をまとめたもので、生活者の目線で見ようとするとかなり分かりにくい。特に労働市場の状況や物価、賃金上昇率などの前提条件が日本経済をより正確に表しているか、楽観的になりすぎていないかなどといった点は、エコノミストといわれる専門家の分析に任せるしかない。
その中で私たちが、注意を払うべき数値がある。それが所得代替率だ。所得代替率の計算方法は、2019年の「財政検証の結果」の資料の中に明記されている。計算の定義は「公的年金の給付水準を示す指標。現役男子の平均手取り収入額に対する年金額の比率により表される」と書かれている。
残り1958文字(全文2261文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める