東京市場 ストラテジストが読む 日経平均は2万4000円台も=三井郁男
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日本株は8月に世界経済の減速に伴う企業業績の悪化を織り込み2万円まで下落したが、米中通商協議の進展期待、中国やドイツの経済対策期待が出る中、低下を続けていた金利が反転すると同時に株価は急反発し10月半ばに年初来高値を更新した。
米中通商協議は部分的な合意の可能性が出てきてはいるものの、貿易摩擦は長期化し経済の不透明感は強まっている。国際通貨基金(IMF)の世界経済成長率見通し(WEO)も5四半期連続の下方修正で、2019年のWEO見通しも3・2%から3・0%に下方修正され好不況の境目の水準まで低下。世界の貿易量伸び率は、昨年の3・6%から1・1%に大きく低下、スロートレードが鮮明だ。IMFは米中の通商摩擦が続けば世界のWEOを0・8ポイント下押しすると試算している。
株式市場に目を向けると、企業収益は下方修正が見込まれ株価は流動性に支えられる動きが強まっている。今後流動性効果だけで上値を追うには力不足で、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や企業収益の改善・底打ち期待などが必要だろう。
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週刊エコノミスト
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