週刊エコノミスト Online通貨・決済 新時代の支配者は誰だ?

激変する仮想通貨市場 規制でやせ細る国内取引所 大口投資家の海外逃避も=高城泰

    「見えない取引」が増えている……(Bloomberg)
    「見えない取引」が増えている……(Bloomberg)

    詳しくはこちら

     マネーロンダリング(資金洗浄)対策を進める国際組織である「FATF(ファトフ)」は今年6月、マネロン対策強化のガイダンスを改訂した。注目されたのは仮想通貨取引所へ「トラベルルール」の適用を求めたことだ。トラベルルールとは、銀行間の国際送金でも施行されているルールの仮想通貨版で、1000ドル(約10万円)相当以上の仮想通貨を他の取引所へ送金する際に、送付人や受取人の氏名などの記録を取引所に義務づけるルールだ。

     仮想通貨の送金には本来、送金先となる仮想通貨ウォレットのアドレスだけがあれば事足りる。ウォレットのアドレスは自動的に生成され、管理者がいるわけではない。送金先が誰であるかは、送付人自身か、あるいは送金先の取引所のみが知る情報だ。日本のように「KYC(本人確認)」を厳格に行っている仮想通貨取引所のほうが世界的にはまれである。個人情報をいかに取得、共有してトラベルルールを順守するのか、FATF加盟国に拠点を置く取引所は対応を迫られることになる。

     しかし、FATF加盟国は日本を含め36カ国に過ぎない。非加盟国に拠点を置く仮想通貨取引所、利用者同士が直接取引するためFATFの影響を受けない「DEX(デックス)」(分散型取引所)もあり、プライバシーを重視する利用者からは国内取引所から、トラベルルールの及ばない取引所へと仮想通貨を“逃避”させる動きも出てくるだろう。

    残り1757文字(全文2353文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    7月14日号

    コロナが迫る 非接触ビジネス第1部16 「脱3密」に勝機あり リアル×ネットで株価急騰 ■白鳥達哉/種市房子19 インタビュー 鈴木康弘 日本オムニチャネル協会会長、デジタルシフトウェーブ社長 「ネット起点に、実店舗を運営」20  諸富徹 京都大学大学院 経済学研究科教授 「脱炭素社会への契機にも」 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット