中国で猛威 アフリカ豚コレラで価格2倍 建国来最大の豚肉危機=李雪連
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中国でアフリカ豚コレラが最初に発見されたのは、昨年の8月だった。東北地方の遼寧省瀋陽市で確認され、8カ月程度で中国全土31の省・直轄市に被害が拡大した。中国政府系のシンクタンクは被害規模について、1億頭超、生産量ベースで1000万トン程度と推計している。昨年1年間の肉豚出荷頭数は全土で6・9億頭、生産量は5400万トンであり、約2割に相当する多大な供給不足が生じている(表1)。
「豚肉は国民食」とも言える中国だが、近年豚O型口蹄疫(こうていえき)などの疫病の発生や健康志向・高齢化の進行の影響で、豚肉の消費量が2014年の5900万トンをピークに減少傾向だ。肉豚の飼養頭数や出荷頭数の傾向も同様である。この結果、豚肉価格は、近年1キロ当たり10~20元(約150~300円)で、比較的安定して推移してきた。
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週刊エコノミスト
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