動物ワクチンの世界大手ゾエティスに集まる注目=小田切尚登
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日本で、豚コレラのワクチン接種が始まった。農林水産省によると、ワクチン提供元は松研薬品工業と共立製薬の2社だ。しかし、畜産関係者の間では、日本では未承認の米ゾエティスもワクチンの有望提供元として名前が挙がる。同社は既にEU(欧州連合)などで豚コレラワクチンの承認を受けている。
ゾエティスは動物向けワクチンの製造で世界のリーディング・カンパニーである。2012年に世界最大級の医薬品メーカー・米ファイザーが動物医薬品部門をスピンオフしてできた。創立以来、世界の動物薬業界をリードする。売上高は57・7億ドル(約6300億円)で、米国内と米国外とでほぼ半々である(数字は18年のもの、以下同様)。
分野別ではワクチン(26%)、抗感染症薬(22%)、駆虫剤(15%)など。動物の種別では犬猫が32%、牛が30%、豚が17%を占めている。同社の株価は4年間で3倍上昇しているが(図)、寄与しているのは犬猫といったペット用動物薬の販売だろう。
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週刊エコノミスト
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