税務調査の「質」 件数の減少で経験不足に 「重加算税」重視の傾向=高橋創
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2011年の国税通則法改正により、税務当局が税務調査を実施する際の手続きなどが細かく定められた。税務調査にあたる職員の数が変わらないと仮定すると、手続きが煩雑になる分、税務調査の実施件数は減少することになる。事実、改正前の11事務年度(11年7月〜12年6月)と改正後の12事務年度では税務調査の件数は激減している。
経済は生き物であり、税務調査の対象となる会社や個人事業の態様はさまざまだ。そして税法にも黒か白かをきっちり分けられない部分が多々ある。税理士や税務調査官はそういう現場に数多く立ち会い、「よい落としどころ」を身につけていくのが通例だったようだ。だが、税務調査の機会が減少することによって、そういった経験を積む場が少なからず失われたように感じられる。
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週刊エコノミスト
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