外需 米予防緩和で世界不況回避 設備投資主導で日本も底堅く=河野龍太郎
米中貿易戦争を巡る不確実性の高まりで、各国の設備投資は先送りされ、2019年後半はグローバル経済の減速が続いた。20年もグローバル経済、日本経済は減速するのか。
結論を先に言えば、米連邦準備制度理事会(FRB)が通常より早い段階で予防的な利下げを開始し、長期金利が大幅に低下したことがグローバル経済を早期回復に導く。米国経済は金利に敏感で、それ以上に株価に敏感だ。また、ドル金利低下は、過去10年でドル債務を大きく増やした新興国経済を米国以上に刺激する。中国経済減速の悪影響をかなり相殺するはずだ。
過大債務気味の米国、新興国が、FRBの金融緩和でさらに借り入れを増やして支出し、グローバル経済が延命されるのだから、決して健全とは言えないが、グローバル不況は回避されるというのが、筆者の基本シナリオだ。それに伴い20年の日本経済は底堅く推移するだろう。以下、詳しく述べよう。
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週刊エコノミスト
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