米国大統領選 深まる分断はトランプ氏に有利 大接戦で遠い「ノーサイド」=安井明彦
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大接戦となった2016年の大統領選挙から3年強が過ぎ、米国は大統領選挙の年を迎える。対中貿易摩擦や大統領弾劾騒動など、激動の時期を過ごした米国だが、世論調査から浮かび上がるのは、前回選挙のまま、時計が止まったような分断の構図である。
象徴的なのが、トランプ大統領の支持率だ。就任当時から40%を挟んだ狭いレンジで推移している。トランプ大統領への支持は広がらないが、岩盤のような支持層が揺らぐこともない。支持率の低位安定ぶりは、過去の大統領とは対照的だ(図1)。
トランプ政権の下で、党派間の分断は修復が難しくなっている。移民に厳しいトランプ大統領の政策は、ブルーカラーの白人の支持を引き留める一方で、ヒスパニックや黒人の離反を促す。気候変動対策や銃規制など、今日的な課題への関心の低さは、変化を嫌う高年齢層には受け入れられやすいが、若年層は反発を強めている。
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