岐路の朝鮮半島 深すぎた米朝の溝、韓国にラストチャンス=徐台教
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朝鮮半島の「非核化と平和体制の構築」が重大な岐路を迎えている。2019年は朝鮮半島情勢が下降線をたどり続けた1年だった。北朝鮮は12月、ICBM(大陸間弾道ミサイル)に使うロケットエンジンの実験も再開し、米国との間には「老いぼれ」と「ロケットマン」という17年の米朝対立を象徴する言葉が躍り始めている。「クリスマスイブにICBMを発射する」(韓国政府元高官)という指摘もある。
朝鮮半島情勢の山場は早々に訪れた。19年2月にベトナム・ハノイであった18年6月に続く2度目の米朝首脳会談で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領の間に期待された合意は不発。筆者の取材によると、米朝の事前交渉で北朝鮮側が寧辺(ニョンビョン)核施設の廃棄というカードに触れず、金委員長が会談で切り出したものの、米国にはこれを議論する準備ができていなかったという。
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週刊エコノミスト
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