国際・政治世界経済総予測 2020

台湾総統選 蔡英文氏の再選を香港が“後押し”=松本はる香

再選後を見据える蔡英文総統(Bloomberg)
再選後を見据える蔡英文総統(Bloomberg)

 2020年1月11日の台湾総統選挙では、独立志向の強い与党・民進党(現職)の蔡英文総統(63)再選の可能性が高まっている。蔡総統に対するのは、中国との経済関係の改善を掲げる国民党の韓国瑜・高雄市長(62)。親民党の宋楚瑜氏(77)も第3の候補者だが、事実上、民進党と国民党の一騎打ちとなる見通しだ。

 18年秋の台湾統一地方選挙で民進党が大敗して以来、蔡氏の支持率は急落し、再選は絶望視されてきたが、潮目を変えたのが香港問題だった。19年6月に起こった「逃亡犯条例」改正案に反対する香港のデモ発生を契機に、台湾人の危機意識が高まったのである。

 19年11月24日の香港区議会選挙では民主派が圧勝。米上下両院で可決された「香港人権・民主主義法案」には27日にトランプ大統領が署名したが、中国政府が香港のデモに対して妥協する可能性は低く、強硬姿勢を崩していない。

残り832文字(全文1211文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月6日号

上がる金&揺らぐドル 史上最高値への地殻変動16 米実質金利との逆相関 崩れた背景に中銀の買い ■村田 晋一郎/谷道 健太19 これで分かった! 「金」の基礎知識 Q&A ■池水 雄一 徹底展望 2023年末 金価格の見通し22 2300ドル 非民主的国家が買い増し 西側への不信で分断拡大 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事