米中の一時「停戦」は必然だった 米国で貿易戦争の悪影響が顕著に=ポール・シェアード
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米国では、中国との貿易戦争の悪影響が明確に表れてきた。具体的に言えば、輸出から輸入を差し引いた純輸出と製造業の設備投資の悪化である。
トランプ政権が発足した2017年第1四半期(1~3月)から19年第3四半期(7~9月)までの11四半期とオバマ前政権の同じ11四半期の実質GDP(国内総生産)成長率(平均)を比べると、同じ2・6%となる。ただし、2四半期前までの9四半期で比較すると、トランプ政権が0・7ポイント上回っていた。1四半期前の10四半期を見ると、その差が0・3ポイントに縮まり、11四半期でオバマ政権と同じ成長率にまで失速した。
米中貿易戦争が始まった18年第3四半期からの5四半期の平均実質GDP成長率は2・2%で、貿易戦争が始まる前の2・9%からの失速は明らか。特に平均実質GDP成長率の純輸出の寄与度(平均)を見ると、始まる前は0・0%だったのが、始まった後の5四半期平均はマイナス0・5%と成長は鈍化。製造業の設備投資の寄与度も同様に悪化している。
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週刊エコノミスト
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