東京市場 ストラテジストが読む 原油に要注意も上昇基調を維持へ=隅谷俊夫
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今年の日本株は米国とイランの軍事的緊張を受けて大幅に下落して始まった。両国の報復合戦への懸念など昨年末に予想しなかった悪材料の出現に市場が後遺症を引きずる可能性がある。
特に原油価格の動きには注意を要する。ニューヨークのWTI原油先物価格は1バレル=60ドル台に乗せたが、一昨年、昨年とも価格が70ドルに近づくと世界の株式相場は調整が長引いたからだ。
ただ、米国とイランの間で局地的な報復合戦が起きても、両国の軍事面、経済面での格差を考えると全面対決に発展する事態は想定しにくい。ニューヨークの原油先物市場では投機筋の買いの持ち高が既に大きく積み上がっており、これが一段の価格上昇を抑制する要因になる。トランプ米大統領もイランとの緊張関係を維持している間は、中国との貿易摩擦を回避しようとする意向が働く可能性が大きい。こうしたことから、原油価格が落ち…
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週刊エコノミスト
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